日本洋酒輸入協会はワイン・ウイスキー・ブランデーなどの輸入洋酒の普及とその需要拡大、並びに円滑な輸入業務の推進を行っている協会です|ブランデー

輸入洋酒とは・・・

ブランデー

ブランデーのタイプ

(1) グレープ・ブランデー
 一般にブランデーと呼ばれるのはグレープワインを蒸留してつくるブランデーです。コニャック、アルマニヤック、フレンチブランデ―など。また、スペイン、ドイツ、オランダ、ギリシャ、イタリア、ルーマニア、ブルガリア、オーストラリア、南ア連邦、チリ、アルゼンチン、日本等、ワイン醸造が行われている国々でも生産されています。中でもコニャックやアルマニャックは産地・原料・製造蒸留工程そして熟成期間等が原産地統制呼称制度で厳しく管理されており、世界の中でも最高級のブランデーとして評価を得ています。 

(2) フルーツ・ブランデー
 ぶどう以外の果実酒から蒸留してつくられるブランデーです。
果実によってその種類も多くリンゴ酒を蒸留したアップル・ブランデー、中でもフランスノルマンディー地方で生産されるカルバドスは原産地統制呼称制度に基づく高級ブランデーの一つに数えられます。チェリー酒を蒸留したキルシュ、ウィリアム洋梨を原料にしたポワール・ウィリアム、黄色スモモを使ったミラベル、その他種類も多く、それぞれに風味に特徴のあるお酒です。

 (3) 粕取りブランデー
 ワイン産地でワイン用ぶどうの搾り粕を原料に蒸留してつくられるブランデーです。搾り粕を密閉保管し香りを立たせ蒸気蒸留し木ダル熟成させるフランスのマール。蒸留後木樽熟成せずに瓶熟成するため、色合いも無色透明なイタリアのグラッパなどが代表的です。

ブランデーの歴史

 ブランデーづくりは主にアランビックと呼ばれる蒸留機が使われますが、その発祥は古代エジプト時代~ギリシャ時代に香水や薬品の製造に使われていた蒸留機が原点と言われています。アラビアで発展開発された蒸留技術でイベリア半島を経てアルマニャック、コニャック地方に伝わったと言われています。17世紀初頭にワインを蒸留してアルコール度数の高いオ-・ド・ヴィーと呼ばれた蒸留酒をつくり始めて以来、各地で果実を原料とした種々のブランデーが生まれていきました。

 コニャック地方でも1622年から1630年にかけて農家の副業としてワインの蒸留が始まりました。オー・ド・ヴィと呼ばれたブランデーは、イギリス・オランダ・スペインなどのヨーロッパ諸国による大航海時代の船旅にも積まれ、ワインと共に世界各地を旅しました。ブランデーが樽で熟成することで味わいがよくなることも幸いし広く愛飲され、ヨーロッパのみならず、彼らが立ち寄った世界の各地にも広まっていきました。フランス・シャラント河のコニャック市は、ブランデー積出の中心都市で重要な交易拠点として栄え、そこで産するオー・ド・ヴィは品質もよくオークの樽で熟成された上質のものは1730年ごろからコニャックの名称で世界に広まり交易品としての地位を早くから確立しました。

 このように交易品として珍重されたコニャックを始めとするブランデーは、その商業的発展をとげる過程において、栽培生産者・蒸留業者・販売者(ネゴシアン)といった各分野での専門化と産業構造の近代化にも大いに貢献しました。

 今日では、ぶどうや果実を栽培しワインづくりが行われている多くの国でブランデーの蒸留が行われています。ドイツ、オランダ、スペイン、ギリシャ、イタリア、ルーマニア、ブルガリア、オーストラリア、南アフリカ、アメリカ、メキシコ、チリ、アルゼンチン、ロシア、そして日本でも優良品が生産されています。

ブランデーの作り方

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(代表的なグレープ・ブランデーの製法)
 製造過程は良質なぶどうからワインを醸造し、蒸留機で蒸留の後、熟成(エージング)。
 原料となる白ぶどうは、後に蒸留しアルコールを凝縮されるため、ワインのような高い糖分は必要とされず、むしろ酸度の高いものが要求されます。ぶどうの酸度は有害微生物の生育をおさえ、雑味のない繊細な香味のブランデーを得るのに必要とされています。

 コニャックやアルマニャックでは、良質のブランデーづくりに必要なワインづくりとその生産地域についても、厳しい規定を設けて管理されています。
 蒸留は、ブランデーの個性や特徴を決定する大きな要素で、それぞれの産地や製品に応じた蒸留方法が選択されています。

 コニャックではアランビック・シャラントと呼ばれるアランビック単式蒸留機で2回蒸留を繰り返します。一回目でアルコール度30%前後の粗留(ブルイイ)を得た後、これを二回目の蒸留で更に凝縮しますが、蒸留液の初め(Tete頭)と最後(Queue尻尾)は除外し、雑味が少なく品質の高い中間のCoeur(中心部分)のみが使われます。こうしてつくられたブランデーは無色透明で、アルコール度数は69~72度。コニャックAC(原産地統制呼称)規定に従い300リットルのリムザンオークの木樽に詰め樽内熟成されます。一方ピレネー山脈麓のガスコーニュで生産されるアルマニヤックの伝統的な製法では、アランビック連続式蒸留機で1回の蒸留が行われています。蒸留液は52~54度のアルコール度とアルコールの凝縮率が低い分その他の香味などが多く取り込まれた蒸留液と言えます。アルマニャックは伝統的に香り味わいが力強く深みがあると言われますが、この独特な連続蒸留によるところと言えます。1972年からは単式2回蒸留も認めらるようにもなりました。蒸留液はガスコーニュ産オーク樽(400リットル)で樽熟成を経て特有の琥珀色の馥郁とした味わいとなります。

ブランデーの飲み方・味わい方

 ストレート、オン・ザ・ロック、水割り、ソーダ割りなどの様々の飲み方があります。

(1) ストレート
 ブランデー本来の香り、味を楽しむため、スニフターと呼ばれる大きめのチューリップ型
のグラスにブランデーを注ぎ、グラスを手のひらで包み込むように持ち、手の体温が伝
わってブランデーの芳香が立ち昇り、また、口に含んで豪奢な味わいを楽しめます。

(2) 水割り、ロック、ソーダ割り、トニック割り、カクテルベース
 楽しみ方は色々あります、色々なもので割って違った表情を楽しむことができます。
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    サイドカー
    ブランデー
    ホワイトキュラソー
    レモンジュース

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    ニコラシカ
    ブランデー
    レモン
    シュガー

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    アレキサンダー
    ブランデー
    クレームドカカオ
    生クリーム

(3) カフェロワイヤル
 ブランデーをコーヒーと合わせて楽しむ飲み方で、名前の豪華さも加わって、とてもリッチな気持ちにさせてくれます。

(4) 料理酒や製菓材料として
 ブランデーは料理やデザートの名脇役として多くのシーンで使われています。
 スポンジケーキにブランデーを滲み込ませたもの、ドライフルーツをブランデーやリキュール等で漬け込み生地に練りこんで焼き上げたフルーツケーキ等、とても身近なところで使われています。

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