日本洋酒輸入協会はワイン・ウイスキー・ブランデーなどの輸入洋酒の普及とその需要拡大、並びに円滑な輸入業務の推進を行っている協会です|ワイン

輸入洋酒とは・・・

ワイン

image  ワインとは一般に果物を原料とし、発酵させたお酒(醸造酒)です。リンゴやキウイ、洋ナシなどを使ったワインもありますが、多くはぶどうを原料としたものです。
 ワインは世界各地でつくられますが、年間平均気温が10~20℃で、北緯30~50度、南緯30~40度の地域に集まっています。原料とするぶどう品種、栽培される土地の気候や土壌、そしてつくり手により、様々な個性のワインが生まれています。
 ワインのアルコール分は一般には12%ほどですが、他の酒類と比べ、豊かな酸味を持ち、甘口・辛口も幅広く、風味が多様であることが特徴です。

ワインの種類

(1)色による分類

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 ワインの色により、赤ワイン、白ワイン、ロゼワインに分類されます。

 赤ワインは黒ぶどうを原料に使い、実をつぶし果こう(茎)を除いた後、果汁を果皮や種子とともに発酵させます。赤ワインの赤い色は、果皮に含まれるアントシアニン色素に由来します。
 白ワインは、白ぶどうを原料に使い、実を圧搾し果汁のみを発酵させてつくります。
 ロゼワインの一般的なつくり方は、赤ワインと同様に、果汁と果皮・種を一緒に発酵させます。途中で、発酵液がピンク色になったところで圧搾を行い、果皮・種子を取り除き、そのまま発酵を進めます。

(2)つくり方による分類


 製法の違いによって、スティル・ワイン(Still Wine)、スパークリング・ワイン(Sparkling Wine)、フォーティファイド・ワイン(Fortified Wine)、フレーバード・ワイン(Flavored Wine) に分類されます。

 スティル・ワイン は、Still (スティル=静かな)という名のとおり、泡のたたない(炭酸ガスを含まない)ワインのことを言います。

 スパークリング・ワインは、泡のたつワインのことです。 ワインを瓶詰めした後に、そこに糖分と酵母を加え、瓶の中で再び発酵させてつくる方法(これを瓶内二次発酵と呼びます)。また、同様のことをタンク内で行う方法(シャルマ法)。あるいは、発酵過程で生まれる炭酸ガスをそのまま閉じ込める方法や、ワインに炭酸ガスを吹き込む方法があります。フランスのシャンパン、イタリアのスプマンテ、スペインのカヴァ、ドイツのゼクトと呼ばれるものが有名です。

 フォーティファイド・ワインは、酒精強化ワインと訳され、ワインの醸造過程あるいは終了後に主にブランデーなどを加えて、アルコール分を高めたものです。風味にコクが生まれ、味わいはより個性的です。また、日持ちもよくなります。代表的なものに、ポルトガルのポート・ワイン、スペインのシェリーやマラガ、イタリアのマルサラがあります。

 フレーバード・ワインは、Aromatized Wine (アロマタイズド・ワイン)とも言われ、混成ワインと訳されます。ワインに様々な香草、薬草、果汁、蜂蜜などを加えて、その味わいに変化をつけたもので、イタリアやフランスのベルモット、スペインのサングリアなどがその代表です。

(3)味わいによる分類


 ワインは辛口から甘口まで幅広い味わいをもっています。

 辛口ワインは、香辛料の辛さをいうのではなく、甘さがない、甘さが少ないワインのことです。ぶどうの糖分すべてが発酵を完了すれば辛口になります。

 甘口のワインは、途中で発酵を止めて糖分を残すことで生まれます。また、特別な気象条件下におかれた際に、非常に糖度の高いぶどうを得られることがありますが、その代表的なものが貴腐ワインです。 特殊な菌(ボトリチス・シネレア菌)の作用で水分が蒸発し糖度の高い状態(貴腐)になったぶどうからつくられます。フランス・ボルドー地方のソーテルヌ地区やドイツ、ハンガリーのトカイ地方の貴腐ワインが有名です。
 また、厳寒期に凍ったぶどうからは、アイスワインと呼ばれる極甘口のワインが生まれます。特に、ドイツ、オーストリーが広く知られています。
 更に、収穫したぶどうを天日に干して糖度を高めてつくるワインもあります。ポート・ワインや一部のシェリーも甘口です。

ワインのつくり方

 ワインづくりの基本は、ぶどうが持つ糖分が、酵母の働きによって、アルコールと炭酸ガスに分解されることです。一般的な製法は、次のとおりです。

①.収穫したぶどうを破砕し、果こう(茎)を取り除きます。
②.赤ワインの場合は、そのまま発酵させ、白ワインでは、更にそれを圧搾し果汁だけを発酵させ ます。発酵の温度や期間、また容器は、地域やつくり手により異なりますが、一般的には、白 は低めの温度で、赤は30度を超えない温度で発酵させます。発酵期間は10~20日間ほどで、タ ンクや一部樽が使われます。
③.発酵を終えたワインは、熟成させますが、その容器(タンク、樽)や期間は、品種やワインのタ イプ、つくり手などによって様々です。
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ワインの取り扱い

(1) 保存
 ①ワインはデリケートな飲み物ですので、家庭での保存はできるだけ気温が低く暗い場所に保存することを心掛けましょう。気温の変化はワインにダメージを与えます。また、日本の夏は30℃を超えることも多いので、ふた夏は越さない方がよいでしょう。長期の本格保存には、ワイン専用冷蔵庫をお薦めします。

 ②理想的な保存条件は、1)温度10~15℃程度で、変化が少ないこと。 2)湿度は高めで65~75%程度。 3)日光はもっての外。室内の灯もできるだけ避けてください。 4)振動や強い臭いがないことです。

 ③また、コルク栓のワインは、コルクを乾燥させないために横に寝かせて置いてください。栓が乾燥すると収縮し、ワインの酸化を招きます。ただし、最近ではニュージーランドやオーストラリア、アメリカなどのワインにスクリューキャップが採用されていますが、この場合には横に寝かせる必要はなく、取り扱いが一層容易になっています。

(2) 抜栓(コルク栓の場合)
 コルク栓をうまく抜くコツは、失敗の少ないコルク・スクリューを選ぶことと慣れることです。お薦めはスクリュープル。スクリューの部分が真っ直ぐコルク栓に入り、取手を回し続けるだけで、自然にコルクが抜けてくる仕組みです。ソムリエ・ナイフは、テコの原理を利用した折りたたみ式で、慣れれば問題なく、また携帯にも便利です。

 ①基本的な操作は、 1)まず、キャップシールを切り取り、スクリューの先端をコルクの中心に差し、真っ直ぐゆっくり回し入れます。 2)テコの原理で取手を手前に引く感じで、コルク栓を引き上げます。コルクが曲がらないように注意してください。 3)コルク栓がわずかに残るところまできたら(残り1cm程度)、コルク栓全体を持ち、手でゆっくりと回しながら抜き取ります。4)瓶の口は、ナプキンなどで拭いてください。

 ②シャンパンなどの発泡性のワインについては、ワイン中に炭酸ガスが溶け込んでいるため、事前によく冷やし、振動を与えないことが重要です。ガスの勢いで栓が飛ばないように必ずナプキンを掛け、常に一方の手でコルク栓の頭を押さえておきます。 1)シールを取り除き、針金を緩めて、瓶口に掛かっている部分を広げます。 2)コルク栓部分と瓶をそれぞれの手で持ち、瓶の下方部分を少し回すことで、ガスの力でコルクが自然に浮き上がってきます。勢いよく飛び出さないように押さえ気味で抜いてください。 3)コルク栓が抜ける直前に、栓をわずかに傾けて、瓶との隙間からガスを逃がしてから抜き取ります。

 ③抜栓のタイミングは、ワインのタイプや熟成度合いによって様々に言われますが、日常楽しむワインでは、飲む直前に抜栓すれば問題ありません。

(3) グラス
 ワイン・グラスは、産地それぞれと言ってもいい程多くの種類がありますが、日常的には、スティル・ワイン用、スパークリング・ワイン用で十分です。
材質は、透明度が高く、輝きがあり、薄手のやや大振りのグラスがよいでしょう。また、上部が若干すぼまった形の方が、香りを楽しむのに向いています。

 ①スティル・ワイン用としては、赤ワイン用と白ワイン用があります。一般的に赤ワイン用のグラスは、複雑な風味が楽しめるように大きめにできています。白ワイン用は、冷やしたワインの温度が上がり過ぎないためにも、赤用よりやや小振りになっています。

 ②スパークリング・ワイン用では、ソーサー型(お椀に似た形)とフルート型と呼ばれる細長いグラスがありますが、現在はフルート型が一般的になっており、立ち昇る美しい気泡を楽しむことができます。

 ③シェリーやポート・ワイン用は、普通のグラスに比べて、小さめにできています。

ワインの楽しみ方

(1) ワインの飲用温度
 ワインをおいしく楽しむには、温度は重要な要素と言えます。ワインの種類によって最適な飲用温度はあるものの、飲む際の環境(季節、時間帯など)や飲み手の好みによっても異なってきます。一般的にいいワインの場合はやや高め、そうでなければ低めでよいでしょう。

 ①白ワインは、事前によく冷やしておきましょう。冷やし過ぎるとワインの風味がおいしく感じられないこともありますが、グラスに注いだ段階から徐々に温度は上昇するので、神経質になる必要はありません。おいしいと感じる温度になったら、クーラーから取り出します。

 ②赤ワインは、基本的にひんやり感じる程度がおいしい温度と言えます。冷やし過ぎると、赤ワイン特有の渋味が際立ち、香りも控えめとなって、個性を十分に楽しめないこともあるので、冷やし過ぎには注意が必要です。ただし、ボジョレーなどの若く軽やかなワインは冷たい方がおいしく感じます。また最近では、白と同じ位冷やして楽しむ赤ワインも出てきています。

 ③スパークリング・ワインは、ワイン中に炭酸ガスを含んでいるために、十分に冷やすことが必要です。冷えが足りないと、抜栓時にコルク栓が飛び出すこともあり、また、泡が吹きこぼれるので、しっかり冷やすことが大切です。

 ④冷蔵庫で冷やす時間は、機材の性能や季節などにより異なりますが、白ワイン、スパークリング・ワインでは、できるだけ前日から、赤ワインは、ひんやりする程度までが目安です。短時間で冷やしたい場合には、アイス・バケツ(または瓶が入る大振りのボウルなど)に氷水を入れて20分程度冷やすのが素早く、また安全な方法です。
image (2) ワインと料理
 ワインと料理との関係は、マリアージュ(結婚)にたとえられ、お互いの個性が調和をかもしだすように、それぞれの味を生かし合い、引き立たせる組み合わせが理想と言えます。ただし、同じ料理でも、素材、調理法、ソース、そして、それを調理する人によって味も異なり、また、同じ産地、同じぶどう品種のワインでもその個性は多様ですので、断定的な組み合わせを語るのはなかなか難しいものです。日常的には、ご自分の好みで楽しむことがよいでしょう。
以下は、長い経験の中で培われたワインと料理の組み合わせの傾向と言われるものです。

ワインと料理の組み合わせの基本
①軽い味わいの料理には、軽やかなワイン、しっかりした味付けの料理には、コクのあるワインが一般的です。 
②前菜は、一般に生ものや魚介類などが出されますので、繊細な辛口白ワインがよいでしょう。
③メインでは、魚、鶏、肉と多様ですが、前菜の時よりもより個性の強いワインが向いています。魚には白、肉には赤とよく言われますが、好みで肉に白ワインでも構いません。
④和食の場合には、素材の風味を生かした繊細な味わいの料理が多いので、辛口の白ワインがよく合うでしょう。
⑤スパイシーさを効かせた料理の場合には、酸味の穏やかなワインが一般的に合うようです。
⑥多くの品数が出される場合、それぞれの料理に個別にワインを合わせるわけにはいきませんので、好きなワイン1本で通して構いません。中心となる料理に合わせてもよいでしょう。また、ロゼ・ワインやスパークリング・ワインで通すことも楽しいものです。

 大切なことは、飲む方がそのワインが好きかどうかということです。ルールだけにとらわれず、自分が心地よいワインで料理との世界を楽しみましょう。

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